機関誌『難民研究ジャーナル』第13号を2024年3月20日に発刊しました。
第13号の特集は「難民と境界(Refugees and Borders)」です。
通年報告の一部は、PDFにてご覧いただけます。
内容情報
社会には多種多様な「境界」が存在し、難民も、保護を求める移動の過程や避難先での生活の中で、様々な境界に直面する。
難民が直面する境界は、誰が、どのように引いた線なのだろうか。その境界はどのように正当化され、難民はどう経験するのか。
本特集では、多角的視点から、難民の前に存在する境界を可視化し、あるいは境界の機能などをひもとく。
目次
●特集論文・報告
- 企画趣旨/難民研究フォーラム編集委員会
- 英仏国境における難民の滞留とグローバル・ノース間での国境管理の外部化/南波慧(高崎経済大学 国際関係論)
- 国家の境界管理が生み出す法的暴力と「懲罰化されたモビリティ」―メキシコ移民とその家族による米国強制送還政策をめぐる経験から/飯尾真貴子(一橋大学 国際社会学)
- 日本の空港における庇護制度とその課題/渡邉彰悟(弁護士、早稲田大学 国際難民法)
- 難民らしさと無知の認識論/岸見太一(福島大学 政治学、現代政治理論、人の移動の政治理論)
●特集投稿論文
- 境界を越える生き方―ニャルグス難民キャンプにおけるコンゴ難民の経験から考える/小宮理奈(東京都立大学 人類学)
●若手難民研究者奨励賞成果論文・研究概要
- 在日クルド人難民における母子保健医療ニーズの実態/安齋寿美玲(京都大学大学院医学研究科博士後期課程 地域看護学、助産学)
- UNHCRによる国内避難民支援のはじまり―1950年代後半から1960年代前半のアルジェリアを事例として/小林綾子(上智大学総合グローバル学部総合グローバル学科准教授 国際政治学、国際機構論、紛争平和研究、グローバル・ガバナンス)
- 日本在住「脱北者」の人口統計調査と現在の暮らし―韓国との比較を手がかりに/洪 里奈(同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程 朝鮮半島地域研究)
- パレスチナ被占領地におけるイスラエル司法―家屋破壊と強制退去のイスラエル裁判所判例を分析して/島本奈央(大阪大学大学院国際公共政策研究科博士後期課程 国際法)
●通年報告
- 2022年日本の判例動向 杉本大輔(全国難民弁護団連絡会議事務局)
- 2022年海外判例評釈 加藤雄大(東北医科薬科大学)
- 2022年難民動向分析―日本― 山田光樹(難民研究フォーラム)
- 2022年難民動向分析―世界― 山中いずみ(難民支援協会)
- 2022年無国籍動向分析 小田川綾音(弁護士)
- 2023年出入国管理及び難民認定法―成立までの議論に着目して 山田光樹(難民研究フォーラム)
- 2022年難民・強制移動・無国籍関連文献一覧
『難民研究ジャーナル』第13号 特集:難民と境界
定価:2,750円(税込)
B5版、170ページ
◆その他、ご購入に関するお問い合わせは、難民研究フォーラム事務局(info@refugeestudies.jp)までお願いいたします。