アフガニスタン難民に関する各国施策

資料集
Afghanistan Observes 2007 International Peace Day by United Nations Photo on flicker (CC license(BY-NC-ND))

2021年8⽉のアフガニスタン政権崩壊後、⺟国を追われた多くのアフガニスタン⼈に対して、各国政府はアフガニスタン難⺠を保護する施策を実施しています。
2022年12月時点における各国 (アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ドイツの5か国)政府による、アフガニスタン難⺠に対する保護の枠組みや⽀援の内容をまとめました。

※PDFはこちら

※修正:2023/1/29 日本の内容に追記

※表の記載内容についての注釈

  • 「枠組み」について
    • 新:アフガニスタン難民に特化した枠組み
    • 既存:2021年8月以前からの枠組み
  • 「対象者」について
    • ▲ ホスト国の軍・政府関係者
    • 〇 大使館の現地職員や通訳、過去の政府プログラム参加者、ホスト国の親族等を含む
    • ◎ 一般市民を含む

※参考︓⽇本

  • 合計700人以上が⼊国(2022年9⽉)
  • 枠組み︓①⼤使館やJICAの現地職員とその家族の受け⼊れと、②その他のアフガニスタン⼈(元留学⽣など)の受け⼊れに分かれている。
  • ⽀援︓①政府とJICAが住居や⾷事、語学の⽀援を⾏う(ただし、雇用期間に限る。また、条約難民や第三国定住難民に対する定住支援プログラムの枠組みではない)。②⼀義的に⾝元保証⼈が⽀援を⾏い、政府は個別の事情を踏まえて必要に応じて⽀援を⾏う。
1.アメリカ
  • 合計88,500人が退避(2022年9月27日時点)
  • 3つの枠組み:政府関係者に永住権を与える保護の枠組みと、2年間の在留資格が与えられる既存の人道保護の枠組みの運用、国内で庇護を求める申請者に18か月の就労許可などの資格を与える仕組みがある。
  • 支援:SIVと人道配慮の対象者は、APAプログラムという支援プログラムを受けることができ、この間に再定住先のコミュニティへのマッチングを行う。また、一部地域では有志の団体によるスポンサーサークルが形成され、人道保護の対象者に各地域への適応のための支援が提供される。
アフガニスタン難民に関する施策表ーアメリカ
2.カナダ
  • 合計22,915人を受け入れ(2022年10月25日時点)
  • 受け入れ目標人数:2023年末までに40,000人
  • 4つの枠組み:政府関係者に永住権を与える受け入れ、アフガニスタン人に特化した人道保護プログラム、家族再統合のための受け入れ、民間支援団体による保護対象者の受け入れがある。どの枠組みも基本的に永住権が与えられる。
  • 支援:特定の支援団体からの支援のない者(特に人道保護プログラム対象者)について、定住に向けた公的支援が1年間提供される。
アフガニスタン難民に関する施策表ーカナダ
3.イギリス
  • 合計22,833人が退避(2022年11月4日時点)、うち12,296人に無期限滞在許可を付与
  • 2つの枠組み:退避作戦、第三国定住、その他脆弱な立場の者を対象とする3つの枠組みで構成されるACRSと、政府関係者や通訳等として英国政府に関わった者を対象とするARAPがある。どちらの枠組みも入国後に永住権を申請する。
  • 支援:受け入れの枠組みと支援が一体になっている。また、全ての対象者は、国内で永住権を得る手続きをするための支援を受けることができる。
アフガニスタン難民に関する施策表ーイギリス
4.オーストラリア
  • 合計26,654人を認定(2022年9月23日時点)
  • 受け入れ目標人数:2026年までに31,500 人
  • 3つの枠組み:2通りの入国手段で構成される人道保護プログラムと、移民プログラムがある。前者について、当初はTPVと呼ばれる3年間の滞在許可を与えられたが、現在は2023年11月の更新時に永住権を得られる査証に変更された。例外的な枠組みとして、非正規ルートで入国した庇護申請者は一時滞在許可のみ得られるが、難民申請の対象とならない。
  • 支援:人道配慮の対象者が受けられる既存の生活支援に加え、アフガニスタン難民を対象とした財政支援や就労支援が提供される。
アフガニスタン難民に関する施策表ーオーストラリア
5.ドイツ
  • 合計38,000人を認定(2022年10月17日時点)
  • 3つの枠組み:政府関係の現地職員の保護と、一般市民を含む脆弱な者の保護のための2つの枠組みがあり、対象者には最大3年間の一時滞在許可が付与され、この間に難民申請や永住権等の申請を行う。受け入れ目標の38,100人に対して、2022年10月17日時点で26,000人が退避。2022年10月以降、毎月1,000人の難民を新たに受け入れることが発表された。
  • 支援:社会統合を支援するための「統合クラス」と呼ばれるプログラムと、2022年10月に新たに設定された、受け入れ枠組みに付随した就労支援や住居支援などの生活支援がある。
アフガニスタン難民に関する施策表ードイツ

※参考文献は、ページ冒頭にあるPDFよりご覧ください

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