[事例集]送還された難民・難民申請者とその後

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2020年4月17日作成、2024年3月22日更 NEW!

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「難民を彼らが迫害の危険に直面する国へ送還してはならない」

 ノン・ルフールマン原則として知られるこの基本原則は「難民保護の礎石」と言われ、難民の地位に関する条約第33条(1)に明確に規定されています。この原則は、難民認定を受けた人だけでなく、難民認定申請者(以下、難民申請者)にも適用されます。難民認定の可能性がある難民申請者を、その地位が判断される前に送還・追放してはならないということは、確立された国際難民法の原則です。また、拷問等禁止条約1のような国際的人権法や、ヨーロッパ人権条約2のような地域的な人権法は、基本的人権が侵害される重大な危険性のある国へ個人を送還することを抑止しています。

 難民である人を送還した場合、出身国において深刻な迫害を受ける危険性があります。条約上の難民に該当しない場合であっても、送還先の政治・社会的状況によっては、個人の生命または身体に重大な被害が及ぶ危険性、基本的人権の侵害など深刻な被害を受ける危険性があるでしょう。国際難民法・人権法に従えば、難民申請者に対して①「条約上の難民に該当しない」という判断に加えて、②「送還しても基本的人権が侵害される重大な危険性はない」という合理的な判断がされるまでは、原則として送還してはならないのです3

 しかし、適切な難民該当性審査が行われない場合や、出身国状況の認識が誤っていた場合、難民申請者が送還され、迫害や深刻な人権侵害を受ける危険があります。実際に、送還された難民申請者がその後に殺害、拷問、拘束された事例は存在しており、送還の判断に問題があったことがこれまでも指摘されてきました。

 そこで、難民研究フォーラムは、送還後に迫害を受けた、または重大な人権侵害を受けた難民申請者の事例を調査・収集しました。送還後に迫害を受けた場合、その実態を把握することは容易ではありませんが(※)、国際機関、国際NGO、研究者などの調査によって、具体的な事例が明らかにされています。これらの事例は、送還に関する決定が慎重に行われるべきことを明示しています。


※例えば、被送還者が送還先で殺害されたとしても、国際的なニュースにならない限り、その事件の存在を把握することすら困難です。また、被送還者が強制収容された場合も、外部への連絡手段を絶たれていればその事実は明るみにでません。そのため、被送還者が受けた迫害の実態を統計的に明らかにすることは実質的に不可能であり、多くの「知られざる事例」が存在すると考えられます。

※送還に関する日本の状況や事例はこちらから。


【目次】

  1. エルサルバドルにアメリカから送還された人が殺害された事例
  2. スーダンに送還された後に政府によって拷問を受けた事例
  3. コンゴ民主共和国(DRC)にイギリスから送還された人が拘禁・拷問された事例
  4. スリランカにイギリスから送還されたタミル人が拘禁・拷問・レイプされた事例
  5. ウガンダに送還されたレズビアンの難民について、イギリス高裁が送還の判断が過誤であったと認定し、イギリスへの再入国を支援するように命令した事例
  6. エリトリアに送還された難民が拷問を受ける危険性
  7. タジキスタンにドイツから送還された人が不当に逮捕された事例 (2024年3月更新)
  8. ロシアにフランスから送還された人が殺害された事例 (2024年3月更新)
  9. カメルーンにアメリカから送還された人たちの事例 (2024年3月更新)

1.エルサルバドルにアメリカから送還された人が殺害された事例

① Camila D.(29歳) 、2019年、殺害4

トランスジェンダー女性であり、セックスワーカーであったCamila Diazはトランスジェンダーに対する暴力や脅迫から逃れ、アメリカで難民申請を行った。しかし、不認定となり、ICE5により送還された。送還から14か月後の2019年1月、エルサルバドルの首都でルームメートの友人にSNSでメッセージを送った直後から行方不明になり、翌週遺体で発見された。地元メディアや友人の証言によれば、Camilaが亡くなった夜の防犯カメラに、警察官が彼女を暴行し、倒れた彼女をピックアップトラックの後ろに乗せて運ぶ姿が映っていたという。エルサルバドルにおいて、トランスジェンダーの女性はしばしば暴力の対象とされ、Camilaも過去に複数回、暴行や脅迫を受けていた。

② Adriana. J. (年齢不明)、2017年、殺害6
エルサルバドルの警察官であったAdrianaはギャングからの脅迫を受けたため、アメリカに避難した。しかし、国際NGO、ヒューマン・ライツ・ウオッチのインタビューに答えた彼女のいとこIrene. J.によれば、アメリカで収容されたAdrianaが難民申請を行うことはできなかった。その理由は、迅速な振り分け審査(expedited removal screening)において、申請自体が拒否されたからだろうとIreneは述べた。その後、2015年~2016年の間にエルサルバドルに送還されたAdrianaは、2017年に頭部と腹部に3発の弾丸を受け、遺体となって発見された。

 どちらのケースにおいても加害者が(少なくとも報道された時点においては)明らかになっていないため、難民申請時に被害者が主張していた「迫害の主体」が実際に彼女たちを殺害したのか、という点は必ずしも明らかではない。また、個々の難民該当性審査や送還のプロセスは明らかになっていないため、個別の事例におけるICEの判断に重大な過誤があったとただちに断定することはできない。
 しかし、エルサルバドルは世界で最も殺人事件の発生件数の高い国であり、失踪事件や性犯罪の件数も高く、治安部隊(security force)自体が、超法規的な殺害、性暴力、強制失踪、拷問などを行っているという報告もある7。ヒューマン・ライツ・ウオッチによれば、2013年から2019年の間に、アメリカから送還された人が少なくとも138名殺害されている状況にあり、送還によって難民申請者の生命が脅かされているといえる8

2.スーダンに送還された後に政府によって拷問を受けた事例

③ Ali Yahya(年齢不明)、2016年、拷問9

 ヨルダンから強制送還されたAliは到着直後にハルツーム国際空港で拘束され、6日間拘留された。一度解放されるが、翌日に再拘留され16日間拘留された。拘留中、繰り返し殴られるなど暴行を受けた。ダルフール出身で紛争と虐殺により兄弟を殺害されたAliはヨルダンでUNHCRによる難民認定を受けていた。ヨルダンから他国への第三国定住が進まない中で起こった抗議デモに参加し、その際に複数のマスメディアの取材に応じており、彼の実名が複数の記事に掲載されていた。拘留中、暴力を伴う尋問を受け、海外のマスメディアに話した内容と、ヨルダン滞在中に支援を受けていたキリスト教系団体との関係を繰り返し質問された。ムスリムであるAliがキリスト教徒とともにいたこと自体が許容できないことなのだという。Aliは拘留を解かれた後、エジプトに避難し、再びUNHCRから難民認定を受けた。

 スーダンに送還された人については、Aliと同様にヨルダンから送還後に拷問・虐待を受けた難民申請者の事例が報告されているほか、2016年11月22日にイスラエルから送還されたMohamed Ahmed Aliが帰国直後に拘束され、National Intelligence and Security Services (NISS)による取り調べ中に死亡した事例も報告されている。 Mohamedが死亡した経緯は明らかではないが、NISSによる取り調べ中に受けた暴行が原因で死亡したと推測されている10
 Mohamed は自主的に送還された難民申請者であるとされているが、イスラエルが難民不認定となった難民申請者に対して、イスラエル内の施設への収容か送還(第三国への送還を含む)の二択を迫るという事例が、多くの証言により明らかになっている11。つまり、「自主的」に送還に応じるように強い圧力がかけられ、送還が実質的に強制されている。Aliの事例において、イスラエル政府が圧力をかけたかは定かではないが、イスラエルから送還後に再び他国に避難し難民認定を受けたケースも多数報告されており、イスラエルの難民認定手続きと送還に関しては批判がある。

3.コンゴ民主共和国(DRC)にイギリスから送還された人が拘禁・拷問された事例

④ 氏名不明(年齢不明)、2011年、拘禁・拷問12

「(イギリスから送還後)「彼らは私を車に乗せるとそのまま、Kin Maziere 刑務所(Prison)に連れて行きました。私はそこの監獄に入れられました。ひどい経験でした。排泄、食事、寝るのはすべて床でしなければならないひどい生活環境だったからです。(そもそも)食事は提供されず、私たちはたまに自分の尿を飲まなければいけませんでした。また暴力も振るわれました。」

⑤ DN(年齢不明)、2016年、拘禁・拷問13

 2016年12月2日にイギリスから送還されたDNは空港内で国家情報局により拘束され、尋問された。その際、DNは治療が必要なほどの拷問の被害を受けた。牢獄から抜け出した後、DNは病院に体から毒を抜くために病院に駆け込み、緊急で胃洗浄とバリウム浣腸を受けた。DNは(DRCの国家情報局から)隠れて生活することを余儀なくされている。

 ④の事例以外にもイギリスの民間難民支援団体(Justice first)の報告によれば、2011年に同団体がモニターしたほぼ全ての送還された難民申請者14が、拘禁、拷問、強制的な身代金の支払い、レイプやセクシャルハラスメントの被害にあった。⑤の事例のように、DRCでの被送還者に対する拘禁や拷問は2011年以降も継続的に報告されている。そもそも他国において難民申請を行うこと自体が国家への裏切り行為とみなされる危険があり15、DRCでは国外からの被送還者は反政府活動の嫌疑がかけられ取り調べの対象となる16。送還後の拘禁、拷問、失踪などの事例が多数報告されている。

4.スリランカにイギリスから送還されたタミル人が拘禁・拷問・レイプされた事例17

⑥ RS (年齢不明)、2011年、拘禁・拷問

 イギリスから送還されたRSは2011年12月29日に軍の兵士によって拘束された。尋問の間、彼は棒で殴られ、煙草の火を押し付けられ、また頭にケロシンをかけられた(his head was doused with Kerosene)。また、逆さにつるされて水が入った桶の中に入れられたり、ホットチリが頭や胸の下に置かれたりしたという。拷問の結果、彼は2009年に(内戦に)敗れたタミル独立派のLiberation Tigers of Tamil Eelam (以下、LTTE)のメンバーであったことを自白した。彼は実質的な賄賂を支払うことで収容所から脱出し、スリランカからイギリスに再び避難し、難民申請を行った。

⑦ BK(年齢不明)、2010年、拘禁・レイプ

 タミル女性であるBKは、2010年に送還された直後、スリランカのコロンボ空港にてCID(Criminal Investigation Department)に拘束された。彼女によれば、拘留されている間、複数の男性に幾度となくレイプされたという。レイプ被害を受けたことにより、多量の出血もあった。親戚が彼女を拘留していた警察官たちに賄賂を支払い解放され、その後再びスリランカからイギリスに戻って難民申請を行った。

 ⑥⑦で取り上げた2名のように、2009年に内戦が終了した後、イギリスはスリランカ人の送還を進めた。しかし、送還されたタミル人は多数派のシンハラ人と長期的に対立関係にあったLTTEとの関係を疑われ、拘束され、拷問を受ける事例が多数報告されている。上記の2名の難民申請の結果は明らかではないが、イギリスから帰国後に拷問を受けた被害者への聞き取りを行った民間団体(Freedom From Torture)のレポートによれば、拷問から逃れ、再びイギリスに避難して難民申請をした12名のうち、少なくとも5名には難民認定がなされた18。同団体の報告によれば、過去にスリランカでLTTEと関わりがあったかどうかではなく、イギリスから帰国したという事実だけで、イギリスでLTTEの活動に参加していた可能性を疑われ、尋問・拘留・拷問の対象になるという。
 拷問禁止委員会は拷問等禁止条約第20条に基づく調査を行い、調査が行われた2016年現在においても、スリランカで継続して組織的拷問が行われていると指摘している19。調査対象は被送還者に対する拷問に限定されていないが、取り調べの際に拷問が一般的に行われていると懸念を表明している。前述のように、拷問等禁止条約は拷問が行われるおそれのある国への送還を禁止しており、スリランカにおいて帰国したタミル人がLTTEとの関係を疑われ、取り調べの標的になっているという報告に基づけば、仮に難民条約の迫害要件を満たさない場合であっても、「拷問の被害にあうおそれがないという」合理的な判断がない限りは、スリランカへの送還は認められないことになる。

5.ウガンダに送還されたレズビアンの難民について、イギリス高裁が送還の判断が過誤であったと認定し、イギリスへの再入国を支援するように命令した事例

⑧ P.N(27歳)、レズビアン女性、2010年20

 P.Nは2010年にイギリスを訪れ、ビザの期限を超えて滞在し、就労していた。オーバーステイ発覚後、収容された。同性愛者への迫害が常態化しているウガンダに帰国した場合「叔父に殺される可能性がある」ことへの恐れから難民申請をしたが不認定となり、その後送還された。P.Nが難民申請をした時点において、イギリスでは2005年にブレア政権時に導入された迅速処理システムが実施されており、難民申請者に対して証拠を収集するために与えられた時間はわずか14日間であった。そのため、P.Nは、自身がウガンダでもイギリスでも同性愛者のパートナーがいた事実、彼女の抱えるPTSD症状、同性愛の性的指向を認めた医師の診断書などを提出することができなかった。この迅速処理制度は2015年に裁判において「不平等である」とされ、廃止されたが、その間10,000人を超える難民申請者が迅速処理の結果、不認定となり送還された。この「不平等な」制度化で送還された人に対して、裁判所に訴える権利が認められ、ウガンダで自らのセクシャリティを隠しながら生活していたP.Nは2015年に提訴した。P.Nは迅速処理によって不当に送還されたとして認定された初のケースである。

 ウガンダではLGBTに対する迫害が報告されており、2014年には同性間の性行為に対して終身刑を課す法律が制定され、同性愛が厳罰化された。その後、憲法裁判所により新法の施行は停止されたが、2019年現在も有効である法律においても同性間の性交行為は違法であり、宗教的・文化的な理由によってLGBTに対して嫌悪感を示すホモフォビアが根強く残っている。そのため、LGBTはしばしば迫害の対象になり、そのセクシャリティやジェンダー・アイデンティティを隠して生活する必要に迫られる。セクシャリティやジェンダー・アイデンティティが露呈することは迫害や差別を受けるリスクと密接に結びついている。しかし、ウガンダに送還された場合に、空港で行われる警察の事情聴取(尋問)で性的指向などを理由に他国で難民申請をしたことが明らかになると、実名がマスメディアで報じられるケースもあるという21。つまり、送還されること自体に自らのセクシャリティを望まない形で公開されるアウティング(暴露)の危険と、それに伴う迫害や差別の危険が内包されている。

6.エリトリアに送還された難民が拷問を受ける危険性

 独裁政権下にあり様々な人権侵害が報告されているエリトリアへの被送還者は、拘禁され、拷問される深刻なリスクに直面している22。EUの政府機関であるEuropean Asylum SupportOfficeの2019年のレポートによれば、ほとんどの帰国者(送還・自主帰還は問わず)はTesseney近郊の地下刑務所に入れられ、スクリーニングと身元確認が行われ23。この刑務所を含むエリトリアの刑務所では拷問が行われているという報告が複数ある。

⑨2つの刑務所にて尋問を担当していた人物の証言

氏名不明(年齢不明)、2019年24
「拷問は鞭、プラスチック性のチューブ、Electric stick(電気スティック)で打つ、炎天下に立たせる、手と足を八の字に縛る、手と足を背中側で縛る、木に縛り付ける、冷水の入ったコンテナに顔を入れさせる、手のひらやかかとを打つなどだった[…]」

⑩Tesseney刑務所で刑務官として勤務していた人物の証言 

氏名不明(年齢不明)、2019年25 
 (被収容者が諜報部の役人に連れていかれる場面をよく目にしたといい、その状況について)「彼らはいつも警棒と銃を持って2人組でやってくる[…]。彼らは一人に名前が書かれた紙を持ってきていて、その人を(連れてくるように)言う。私たち(刑務官)はなにも質問しない。彼らは車の後ろに人を結び付けて(車で)引っ張ったり、いろいろな金属のチェーンを使って彼らを縛り付けたり、足のかかとを打ち付けたりと拷問を始める。酸欠にするためにプラスチックのバックを頭からかぶせることもある。そのまま夜通し放置したりする。だいたいこのような(拷問)は夜間に行われる。収容者は夜を嫌っている。何が起こるかわからないからだ。収容者は尿のにおいがするし、女性はストレスでしょっちゅう生理がきている。」

 上記の刑務所で拷問を受けた被害者が送還された難民申請者であるかどうかは定かではないが、国連調査委員会の報告によれば、エリトリアでは出国に厳しい制限をかけており、許可なく国を離れた者は逃亡者としてみなされ、帰国と同時に逮捕・拘留される。拷問も含めた取り調べが行われ、その後も数か月から数年に渡って拘禁され、非人道的な扱いを受ける26。エリトリアを合法的に出国することは非常に困難であるため、ヒューマン・ライツ・ウオッチによれば、難民が送還された場合はこのような拷問、非人道的な扱いが常態化している刑務所に送られる可能性が極めて高い27。UNHCRはこの罰はあまりにも厳しく、(許可なしに出国したという罪に対して)不釣り合いであり、それ自体が難民認定における迫害の要件を満たすとの見解を示している28

7.タジキスタンにドイツから送還された人が不当に逮捕された事例

⑪ Abdullohi Shamsiddin(33歳)、2023年、不当な逮捕29

 2023年、Abdullohi Shamsiddinはドイツからタジキスタンへ強制送還された。彼はドイツで3回にわたり難民申請を行ったが、すべて却下された。そして2023年1月19日にドイツからドゥシャンベ(Dushanbe)へ到着する予定だったが、彼がドゥシャンベ国際空港を出る様子は目撃されていない。3月6日、彼は妻に電話をかけ、タジキスタンの国家安全保障委員会(GKNB)に拘束されていると伝えた。彼は、タジキスタン最大の野党であったタジキスタン・イスラム復興党(IRPT)との関係が報じられており、拷問などの不当な扱いを受ける危険性があるとされている。さらに、彼は重度の喘息を患っており、命に危険を及ぼす可能性がある。2023年3月29日には、彼が「タジキスタン共和国の憲法秩序を暴力的に変更しようとする公然の呼びかけ」の罪で有罪とされ、懲役7年の判決を受けたと報じられた。

 タジキスタンでは、1992年に政府側の旧共産党勢力と、イスラム勢力を含む反政府勢力との間で内戦が発生し、1997年まで続いた。その混乱の中、1994年に大統領に就任したエモマリ・ラフモン氏が、2016年の任期制限の撤廃を経て、現在も大統領を続けている30。彼は権威主義のもとで政権を握っており、野党の活動は著しく制限されている。2015年3月に行われた議会選挙では、野党のうち唯一、タジキスタン・イスラム復興党(IRPT)が63議席中2議席を占めるのみであった 31。同年、政府はIRPTを「テロリスト」集団に指定し、不当な逮捕と裁判によって幹部を投獄した32。実質的な野党勢力が不在の中で2020年に議会選挙が行われ、タジキスタンの議会は野党がいない事実上の一党独裁となっている33

8.ロシアにフランスから送還された人が殺害された事例

⑫ Daoud Muradov(年齢不明)、2020年、殺害34

 2017年、チェチェンの治安部隊は15歳だったDaoud Muradovを逮捕し、拷問を含む不当な扱いを行った。その後、彼と彼の家族はフランスに亡命したが、難民申請は却下された。2020年、彼はイラク・レバントのイスラム国(ISIL)35との関係が疑われ、フランス当局に逮捕され、強制送還されることが決定した。フランス当局は、上述の2017年の拷問などについて認識していたにも関わらず、2020年12月11日に彼をモスクワに強制送還した。モスクワの空港に到着した後、ロシア当局に拘束され、拷問を受けた末にチェチェン人を違法武装集団に勧誘していたとする嘘の自白に署名を強要された。そして収容から3か月後、Muradovは亡くなった。Muradovの家族は彼の遺体を受け取っておらず、当局からの死因の説明は「突然の心肺停止」から腎不全に至るまで多岐になる。遺族は毒殺を疑っているが、遺体がなく、診断書も提供されず、埋葬地も不明であるため、彼の本当の死因は明らかになっていない。

 2024年にアムネスティ・インターナショナルが発表したレポートでは、Muradovと同様に、ヨーロッパからロシアに送還され不当な逮捕を受けた事例が報告されている。例えば、Magomed Gadaev36は、2009年11月から2010年4月までの5か月間、チェチェンの特殊部隊(OMON)の地下室に収容され、拷問や虐待を受けた。その後、釈放されたが、当局から脅迫などを受けたため、ポーランドへ亡命。難民として認められるも、そこでもチェチェン当局からの脅迫電話などを受け続けたことから、フランスへ移動し、難民申請を行った。しかし、ポーランドですでに難民認定がされていたため、フランスでは難民認定がされなかった。よって、フランス当局はポーランドへの強制送還を決めたが、ポーランドでは難民認定が取り消されており、ロシアへの強制送還が決まった。フランス亡命裁判所(The French National Court of Asylum)がロシアへの送還は身体的危険があると判断したにも関わらず、フランス当局は司法判断を無視して 37、2021年4月に彼をモスクワ郊外のシェレメーチエヴォ(Sheremetyevo)空港に送還した。結果、到着時に彼はロシア国境警備隊によって12時間拘束された。その後、親戚が用意したアパートに住み始めるが、知らない人たちからの監視や、警察署での拘束を経験した。そして、Gadaevは武器の不法所持の疑いで1年半の刑を言い渡された。2022年に釈放されたが、Gadaevはロシアからの出国が禁止され、当局からの厳しい監視下に置かれていると彼の妻は報告している。
 チェチェンをはじめとする北コーカサス地方出身者は、ロシアへの送還により、深刻な人権侵害を受けるリスクに直面してきた。このリスクは、ウクライナ侵攻後のロシア全体の人権基準の悪化や、欧州において、北コーカサス出身者が継続的に差別や偏見の対象となってきたことで、さらに高まっている。これらの事例を踏まえ、アムネスティは、欧州各国政府に対して、ロシアへの強制送還の中止を求めている38

9.カメルーンにアメリカから送還された人たちの事例

⑬ 2020年、収容及び収容所内での非人道的な取扱い

 2020年10月と11月にアメリカからカメルーンに強制送還された人たちは、Covid-19の「検査」を名目にカメルーンの警察などによって空港で集められ、「カメルーンを離れた理由」「アメリカから強制送還された理由」「アメリカ政府に何を伝えたのか」などについて質問された。彼らは、強制送還された人たちを脅し、敵対勢力を支援しているなどの「嘘」を広めていると非難した。そして、当局は彼らをDoualaのYassaにある公営団地に、Covid-19の「検疫」のために1週間近く収容した。収容された1人であるMarieは「その施設から外出しようとする者には、銃口が向けられた」と語っている。その後、Marieを含む強制送還された人たちはDoualaやYaoundéの収容施設に送られるか、もしくは親族や友人が金銭を当局に支払い、釈放されるかであった39
 ヒューマン・ライツ・ウオッチの報告によると、インタビューに答えた19名(16名男性、3名女性)は「多くの場合、当局によって極めて劣悪な環境で拘束され、食料、飲料水、石鹸、入浴などがほとんど、もしくは全く提供されない非人道的な扱いを受けた」と述べている。また、多くの収容者は、Covid-19の感染防止のマスクをもたず、過密状態で収容されていた。さらに、彼らは限られた、あるいは全く医療が受けられない状況にあり、その多くがマラリア、腸チフス、インフルエンザ、皮膚の発疹、胃腸炎などの病気になったと報告している40

 カメルーンの英語圏地域では、2017年10月以降、独立を掲げる武装分離主義グループと政府軍の間で激しい対立が続いており、大規模な人道危機に直面している41。一方、カメルーンの北部地域ではイスラム主義武装組織ボコ・ハラムとの紛争が続き、政府は政治的な反対運動や異論を取り締まる姿勢を強めている。そのため、北部の地域から逃れてきたカメルーン人に対して、政府は、彼らがボコ・ハラムを支援していると非難しており、強制送還された場合、恣意的な逮捕・拘束、拷問、その他の非人道的行為を受ける危険性がある42
 なお、これらの収容は、Covid-19に対する「検疫」の一環として行われていた。ヒューマン・ライツ・ウオッチは、この際に行われた検疫について、人道的で尊厳のある状態で実施されておらず、また公衆衛生を守るために必要な期間を超えて収容されているため、正当化することはできないとしている43

⑭ Esther(年齢不明)、2020年、強姦44

 カメルーン出身の女性、Estherは、アメリカでの難民申請が認められず、2020年10月に強制送還された。同年末、北西部の都市であるBamendaに向かう途中の検問所で、警察官に身分証明書を求められたEstherは、通行許可を提示したが、車から降りるよう命じられ、なぜ強制送還されたのかを尋ねられた。その後、彼らはEstherに自分たちの車に乗るよう指示し、助けが来て逃げ出すまでの約1か月半、警察署に収容した。彼らは拘束理由を身分証明書の不所持と、移動許可書から強制送還されたことが判明したためだとしている。この期間、Estherは警察官から性的暴行や拷問を受けたと報告している。彼女によると、彼らは正当な手続きを踏まず、裁判所に訴える機会も与えられなかった。また、電話をかけたり、弁護士を探すことも許されず、非人道的な環境で収容されていた。Estherは、週に1度の洗濯しか許されず、バケツでの排泄を強いられ、食事もほとんど与えられなかった。
 彼女が収容中に受けた拷問や性的暴行について、ヒューマン・ライツ・ウオッチのインタビューで以下のように答えている。「私は収容中、2日おきに、ロープ、ゴムチューブ、ブーツ、軍用ベルトなどを使って、全身をひどく殴られた。彼らは、『お前がアメリカで難民申請を求めたことで、カメルーンのイメージを壊したのであるから、お前の人生も破壊する』と言った。数日後、警察官たちが来て、私の顔を布で覆った。声が聞こえたが、何人いたか分からない。おそらく、2、3名いたであろう。そして、別の部屋に連れて行かれ、殴る蹴るなどの暴行だけでは無く、レイプなどの性的虐待を受けたと言う。そして『生きている姿を家族に見せたいなら、おとなしくしていろ』と私に対して警告した。私はこうした暴行を受け、負傷したが、収容中は治療を受けることは無かった」。

⑮ Mercy(年齢不明)、2020年、強姦45

 Mercyも2020年10月にアメリカから強制送還され、空港に到着した後、南西地方に送られた。検問所で身分証明証の提示を警察官から求められたが、所持していたのは移動許可証だけであった。彼らはMercyがアメリカから強制送還されたことを知ると、拘束し、カメルーン政府について嘘を広めていると非難した。Mercyによると、拘束されていた約1か月半の間、外部との連絡を絶たれ、ほとんど食事が与えられず、性的暴行や肉体的拷問を受けていた。
 収容所内で受けた性的暴行や拷問について、ヒューマン・ライツ・ウオッチのインタビューでMercyは以下のように答えている。「私は換気や電気がない小さい部屋に入れられ、食べ物や水を与えられないまま何日か過ごした。2名の軍人が別の部屋に私を連れて行った。そこで、椅子に座るように言われ、手足を縛られた。そのうち1人が私の頭に銃を向け、『アメリカ政府に言ったことの真実を話せ』と怒鳴った。彼らは私がアメリカ政府に言ったことが全て書かれているファイルがあると言った。彼らは私の顔を強く叩き、床に倒れ、鼻血を出しているにも関わらず、彼らは私を蹴り続けた。数日後、私はまた同じ尋問を受けた。けれども、今回は、私の服を無理やり脱がし、2名の男によって床に押さえつけられ、レイプされた。その後も、呼び出され毎回同じことをされた」。

 送還された難民申請者が犯罪者として扱われる状況は、以前からも報告されていた。例えば、2013年のThe New Humanitarianによると、難民不認定となり送還された者は、通常、空港で尋問を受けた後に刑務所に移送され、文書偽造等の罪に問われていた。収監を免れた場合であっても、多くの者が訴追を恐れ、逃亡生活を送っている46

※補足:カメルーン出身者に対するアメリカ政府の対応について

 上述したように、アメリカから強制送還されたカメルーン出身者が、強制送還の後に深刻な人権侵害を受けた事案が複数報告されている。アメリカ政府は、その後、カメルーンを一時保護資格(Temporary Protected Status: TPS)の対象国に指定した47。当初は2022年6月7日から2023年12月7日までの18か月間だったが、2023年10月10日に18か月間の延長が決まり、2025年6月7日までTPSが適用されることとなっている48。TPSとは、母国での政情不安や自然災害により、安全な帰国が困難となった国の出身者に与えられる滞在資格であり、TPSの付与により、当該国出身者は、アメリカから退去強制されることなく、労働許可を受けて暮らすことができるようになる49。なお、近年TPSへの指定や延長などが行われた国として、シリア、アフガニスタン、南スーダン、ウクライナなどがある50
 カメルーンがTPSに指定された背景には、市民団体の働きかけがあった。具体的には、以下の3団体が挙げられる。

  • アムネスティ・インターナショナル:2022年の報告書51において、カメルーン国内における人権侵害として、例えば「恣意的な拘束、違法な殺害、武装集団による殺害、人道的アクセスの拒否」などを報告。アメリカの連邦政府に影響を与えた。
  • ヒューマン・ライツ・ウオッチ:2022年2月の報告書52において、「カメルーンに強制送還された人々は、帰国後、生命、自由、安全に対する深刻なリスクに直面する可能性があることから、アメリカおよび世界各国政府は、カメルーンへの強制送還を停止すべきである。アメリカ政府は、カメルーン人に対する難民申請を考慮することに加え、TPSの法的要件に基づき、アメリカ国内のカメルーン人を一時的保護資格(TPS)に指定すべきである」と提案した。
  • Refugee and Immigrant Center for Education and Legal Services(RAICES)53:2022年2月17日、アメリカ国土安全保障省に宛てて、「政府や分離主義者によって4,000人以上が殺害され、70万人以上が避難を余儀なくされている中で、TPSへの指定が行われていないことを遺憾に思う」「カメルーンをTPSに指定することは正当であり、道徳的かつ経済的にも賢明なことである。私たちはアメリカに住むカメルーン人を送還から守るために、直ちに行動を起こすよう求める」とする書簡を送った54

 これらの働きかけを受け、アメリカ政府は、2022年6月7日にカメルーンをTPSに指定することを決めた55


【送還に関する有用な文献・ウェブサイト】

  • Post-deportation risks: Criminalized departure and risks for returnees in countries of origin
    https://www.amerainternational.org/wp-content/uploads/2015/06/1.-Post-Deportation-Risks-A-Country-Catalogue.compressed-copy-2.pdf

    VUアムステルダム大学(当時)のMaybritt Jill Alpes博士による研究プロジェクトで、パリ政治学院大学の学生6名とともに行われた調査報告。正式な許可のない出国を試みた自国民に対して罰則を与える国家に着目し、出身国に帰国した際に(1)送還された人、(2)難民不認定者、(3)許可されていない旅行者が帰国後に(a)金品の没収、(b)拘留、(c)身体的暴力などの被害にあう危険性のある国をリスト化した。
  • Rights in Exile Programme Post Deportation Monitoring http://www.refugeelegalaidinformation.org/post-deportation-monitoring

    難民に対する法的支援・アドボカシー活動を行っているAMERA Internationalのホームページで送還に関する論文・報告がまとめて掲載されているほか、各国で送還後の支援を行うAMERA Internationalと連携する団体・個人が国別にリスト化されている。

(以上)

  1. 拷問および他の残虐な、非人道的または品位を傷つける取扱いに関する条約(通称、拷問等禁止条約)第3条で「締約国は、いずれの者をも、その者に対する拷問が行われるおそれがあると信ずるに足りる実質的な根拠がある他の国へ追放し、送還し又は引き渡してはならない。」と規定している。[]
  2. 正式には、人権と基本的自由の保護のための条約。送還先で被送還者が虐待などを受ける可能性がある場合、第3条で規定されている「拷問・非人道的待遇または刑罰の禁止」の違反になるという明確な司法判断が欧州人権裁判所により出されている(Chahal v. the United Kingdom (App. no.70/1995/576/662, Judgment [CG], 11. Nov. 1996, para 107)。[]
  3. ノン・ルフールマン原則については国連難民高等弁務官事務所(以下、UNHCR)「難民の権利と義務」参照。UNHCR 「難民の権利と義務」[ https://www.unhcr.org/jp/right_and_duty] (最終閲覧日2020年4月13日)。[]
  4. PRI “ICE deported a trans asylum-seeker. She was killed in El Salvador,” [ https://www.pri.org/stories/2020-02-13/ice-deported-trans-asylum-seeker-she-was-killed-el-salvador] (13 Apr. 2020).[]
  5. アメリカ合衆国移民・関税執行局 (U.S. Immigration and Customs Enforcement)の略称。[]
  6. Human Rights Watch. “Deported to Danger,” pp.33-34 [ https://www.hrw.org/sites/default/files/report_pdf/elsalvador0220_web_0.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  7. Human Rights Watch “El Salvador Events of 2018,” [ https://www.hrw.org/world-report/2019/country-chapters/el-salvador] (13 Apr. 2020).[]
  8. 前掲注6[]
  9. Waging Peace “Recent cases of post-deportation risk,” [ http://www.wagingpeace.info/wp-content/uploads/pdfs/Post-deportation_update_January_2017.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  10. 前掲注9。[]
  11. Birger, Shoham and  Bolzman,  “Better a Prison Israel than dying on the way” testimonies of refugees who “voluntary” deported Israel to Rwanda and Uganda and gained protection in Europe,” 2018, [http://assaf.org.il/en/sites/default/files/Testimonies%20report%20-%20Jan%202018%20ENG.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  12. Justice First (Ramos Catherine) “Unsafe Return: Refoulement of Congolese Asylum Seekers,” 2011, [ http://justicefirst.org.uk/wp-content/uploads/UNSAFE-RETURN-DECEMBER-5TH-2011.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  13. Ramos Catherine氏による家族への聞き取りやDRCで活動するBill Clinton Foundation for Peaceの情報に基づく。Ramos Catherine “Unsafe Return III: Removals to the DRC 2015-2019,” [ https://cityofsanctuary.org/wp-content/uploads/2019/05/Unsafe-Return-III-Removals-to-the-Democratic-Republic-of-the-Congo-2015-to-2019-Catherine-Ramos.pdf](17 Apr. 2010).[]
  14. イギリスから強制送還された14名、自主帰還した3名(計17名)をモニタリングした。内2名は帰国直後から行方不明となり、残りの15名のうち13名が尋問、逮捕・拘禁、身体的、精神的または性的虐待、拷問などの被害を受けた。帰還のリスクは自主帰還者にも及び、自主帰還3名のうち1名は行方不明、1名は拘禁を経験し、もう1名も帰国から1か月後に身の危険を感じ再びDRCから避難している(前掲注12)。[]
  15. 前掲注12、p.33。[]
  16. 移民・難民申請者の送還について多数の研究業績があるMaybritt Jill Alpes博士が2019年発表した報告によれば、同氏が行った聞き取り調査において、DRCの複数の警官が「被送還者は政治亡命者とみなす」と説明し、また、政府官僚は「国外で根拠のない難民申請(unfounded asylum declaration)を行ったものは逮捕、拘禁される」と述べた。Maybritt Jill Alpes “After Deportation, Some Congleses Retunees face Detention  and Extortion” [ https://www.migrationpolicy.org/article/after-deportation-some-congolese-returnees-face-detention-and-extortion] (17 Apr. 2020).[]
  17. Human Rights Watch, ”UK: Halt Deportations of Tamils to Sri Lanka,” [ http://www.hrw.org/news/2012/02/24/uk-halt-deportations-tamils-sri-lanka] (13 Apr. 2020).[]
  18. レポートが発行された2012年9月現在で5名が難民認定を受け、3名が審査待ち、残りの4名については審査結果の情報がない状態であった。Freedom From Torture “Sri Lankan Tamils tortured on return from the UK”, 2012, [ https://www.refworld.org/pdfid/505321402.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  19. UN Committee Against Torture “Concluding observations on the fifth periodic report of Sri Lanka,” [ https://www.refworld.org/publisher,CAT,,LKA,596f5cc24,0.html] (13 Apr. 2020).[]
  20. The Guardian “Home Office must help woman unfairly deported to Uganda to return to UK,” [ https://www.theguardian.com/global-development/2019/jul/04/home-office-must-help-woman-unfairly-deported-to-uganda-to-return-to-uk-pn] (13 Apr. 2020).[]
  21. Charity Ahumuza Onyoin “A grim return: post-deportation risks in Uganda” 2017 https://www.fmreview.org/sites/fmr/files/FMRdownloads/en/resettlement.pdf pp.81-84 (13 Apr. 2020).[]
  22. Human Rights Watch “Sudan: Hundreds Deported to Likely Abuse,” [ https://www.hrw.org/news/2016/05/30/sudan-hundreds-deported-likely-abuse] (13 Apr. 2020).
    [ https://www.dabangasudan.org/en/all-news/article/sudan-deports-another-36-eritrean-migrants](13 Apr. 2020).[]
  23. EASO “Eritrea National service, exit, and return Country of Origin Information Report 2019,” pp.62-64. [ https://coi.easo.europa.eu/administration/easo/PLib/2019_EASO_COI_Eritrea_National_service_exit_and_return.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  24. UN Human Rights Council “Advance Version, Report of the detailed findings of the Commission of Inquiry on Human Rights in Eritrea,” 2015, para. 1015[ https://www.ohchr.org/Documents/HRBodies/HRCouncil/CoIEritrea/A_HRC_29_CRP-1_Chapter_VI.pdf] (13 Apr. 2020).[]
  25. 前掲注24。[]
  26. 前掲24。エリトリアへの被送還者に関する報告はパラグラフ426-437が詳しい。[]
  27. 前掲注22。[]
  28. UNHCR “UNHCR deeply concerned by deportation of Eritreans from Sudan,” [ https://www.unhcr.org/news/press/2011/7/4e2ec8a36/unhcr-deeply-concerned-deportation-eritreans-sudan.html] (13 Apr. 2020).[]
  29. アムネスティ・インターナショナル「タジキスタン:強制送還された反政府派の男性 身の危険」 [ https://www.amnesty.or.jp/get-involved/ua/ua/2023ua025.html](最終閲覧日 2024年1月12日)。[]
  30. 外務省「タジキスタン共和国」[ https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/tajikistan/data.html#section2](最終閲覧日 2024年2月13日)。[]
  31. Global News View 「中央アジアにおける言論統制」 [ https://globalnewsview.org/archives/9852#%E3%82%BF%E3%82%B8%E3%82%AD%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%EF%BC%9A%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F] (最終閲覧日 2024年2月13日)。[]
  32. 前掲注29。[]
  33. The diplomat “The Fall of Tajikistan’s Opposition” [ https://thediplomat.com/2020/02/the-fall-of-tajikistans-opposition/](最終閲覧日 2024年2月13日)。[]
  34. Amnesty International “Europe: The Point of No Return” [ https://www.amnesty.org/en/documents/eur01/7577/2024/en/] p.11(最終閲覧日 2024年2月1日)。[]
  35. イラク・レバントのイスラム国(ISIL):2015年11月にフランス・パリで同時多発テロ後、特に2017年以降、各国による掃討作戦の進展を受け、その勢いは減退している。公安調査庁「『イラク・レバントのイスラム国』(ISIL)の退潮と今後の展望」[ https://www.moj.go.jp/psia/ITH/topic/topic_01.html](最終閲覧日 2024年2月6日)。[]
  36. 前掲注34、pp.13-14。[]
  37. フランス当局の当該行為について、Human Rights Watchは、国際的な義務への違反を指摘している。Human Rights Watch “Statement on France’s Deportation of Chechen Asylum Seeker to Russia Despite Risk of Torture” [ https://www.hrw.org/news/2021/04/15/statement-frances-deportation-chechen-asylum-seeker-russia-despite-risk-torture](最終閲覧日 2024年2月20日)。[]
  38. 前掲注34、p.2。[]
  39. Human Rights Watch “How Can You Throw Us Back?” [https://www.hrw.org/sites/default/files/media_2022/03/us_cameroon0222_web.pdf] pp.31-32(最終閲覧日 2024年1月12日)。[]
  40. 前掲注39、p.35。[]
  41. 外務省 海外安全ホームページ「カメルーンの危険情報【危険レベル継続】(内容の更新)」 [ https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pchazardspecificinfo_2022T034.html#ad-image-0] (最終閲覧日 2024年2月6日)。[]
  42. 前掲注39、p.22。[]
  43. 前掲注39、p.32。[]
  44. 前掲注39、pp.37-38。[]
  45. 前掲注39、pp.39-40。[]
  46. The New Humanitarian “New network monitors deportee abuses” [ https://reliefweb.int/report/world/new-network-monitors-deportee-abuses] (最終閲覧日 2024年2月27日)。[]
  47. Federal Register “Designation of Cameroon for Temporary Protected Status” [ https://www.federalregister.gov/documents/2022/06/07/2022-12229/designation-of-cameroon-for-temporary-protected-status](最終閲覧日 2024年1月11日)。[]
  48. Federal Register “Extension and Redesignation of Cameroon for Temporary Protected Status” [ https://www.federalregister.gov/documents/2023/10/10/2023-22375/extension-and-redesignation-of-cameroon-for-temporary-protected-status](最終閲覧日 2024年2月9日)。[]
  49. 中川かおり「【アメリカ】一時保護資格(TPS)に関する連邦最高裁判決」[ https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11708953_po_02880208.pdf?contentNo=1] p.20(最終閲覧日 2024年2月9日)。[]
  50. U.S. Citizenship and Immigration Services “Temporary Protected Status”  [ https://www.uscis.gov/humanitarian/temporary-protected-status#:~:text=The%20Temporary%20Protected%20Status%20](最終閲覧日 2024年2月9日)。[]
  51. Amnesty International “Cameroon”  [ https://www.amnesty.org/en/location/africa/west-and-central-africa/cameroon/report-cameroon/](最終閲覧日 2024年2月20日)。[]
  52. 前掲注39、p.8。[]
  53. 移民と難民の権利の擁護を目的に、1986年にアメリカで設立された非営利組織。難民の就労や社会統合、医療支援や金銭的援助等のサービスを行っている。[ https://www.raicestexas.org/refugee] (最終閲覧日 2024年2月27日)。[]
  54. RAICES “RAICES CALLS FOR IMMEDIATE DESIGNATION OF TEMPORARY PROTECTED STATUS (TPS) FOR CAMEROON” [https://www.uscis.gov/sites/default/files/document/foia/Temporary_Protected_Status_for_Cameroon-Andiola.pdf](最終閲覧日 2024年1月25日)。[]
  55. 前掲注47。[]
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