第18回研究会「日本における類似難民の保護の課題と展望」

■テーマ:「日本における類似難民の保護の課題と展望―平等原則アプローチとEU Qualification Directive2011年改正からの示唆」

■報告: 神坂仁美氏 (大阪大学大学院博士前期課程修了)


日時: 20131129日(金) 18:40-20:30

場所: 明治大学駿河台キャンパスリバティタワー

 

「難民の補完的保護」は、遅くとも2005年以降とくに法学研究者の間では一大論点として認識され、日本でも注目を集めつつありますが、日本ではまだほとんど研究が進められていないテーマです。そのような中、神坂氏の修士論文は、この難しい果敢に挑戦し、補完的保護に関する既存の理論展開と日本への展開可能性などを示したものでした。本研究会は、この修士論文の内容の紹介を中心に、神坂氏の「難民の補完的保護」について発表していただきました。

 

発表では、補完的保護に関する基本的概念や神坂氏が呼称する「類似難民」(難民条約の難民定義には当てはまらないものの、人道上の理由から庇護国の保護を受ける者)という概念の説明から入り、補完的保護に関する国際法上の議論(McAdamの特別法アプローチ、HathawayによるMcAdam批判、Pobjoyの平等原則アプローチ)の概要解説、ヨーロッパにおける類似難民の補完的保護の実践(2004年欧州指令、2011年欧州指令の内容)、日本における類似難民の保護の課題と展望などを簡潔に発表していただきました。

 

その後の質疑応答では、国際法専門家および他の専門家から、「類似難民」の範囲や呼称の妥当性、補完的保護に関する先行研究の詳細な検討、日本における望ましい補完的保護の形態などについて多くの質問と熱い議論が繰り広げられました。