在外研究報告会「難民保護の実像ーカナダの航路」

研究会

難民研究フォーラムでは下記の研究会を行いました。

開催日:2025年7月30日 オンライン
報告者:阿部浩己(専門:国際法、国際人権・難民法、平和研究 / 明治学院大学副学長)
難民研究フォーラム共同代表幹事。アジア国際法学会・国際人権法学会・日本平和学会理事。2022年まで10年にわたって難民審査参与員を務める。主な著書に、『人権/人道の光芒 ― 国際法の批判的理路』(信山社、2024年)、「庇護の域外化ーグローバル・ノースの抑止策」『人権判例報』2023年、3~18頁、『国際法を物語るI~IV』(朝陽会、2018〜2021年)、『国際法の人権化』(信山社、2014年)、『国際法の暴力を超えて』(岩波書店、2010年)。

「カナダの制度も日本並みに本当にひどい時期がありました。その時に、偶然も重なり、さまざまな出来事の積み重ねの中で、ある時期に大きく制度が生まれ変わったわけです。それは歴史の偶然だったかもしれません。[中略]いくつもの偶然が同時期に集中して、良い成果を生み出したことはある意味、歴史の偶然なんです。何かが変革されるときは「偶然」というのが大きなファクターになると思うのです。ただ偶然というのは、待っていても誰かが作ってくれるものではなく、それぞれの人がそれぞれの持ち場でいつも準備してないとダメなものです。日本の難民認定手続きも、昔のカナダと同じようなひどい状況にですが、そのカナダが変わったということは日本にも変わる希望はあるということだと思います。」
―阿部浩己氏(報告書より抜粋)

日本の難民支援の文脈では、カナダはしばしば難民保護に積極的な国として取り上げられます。実際に、難民の認定率の高さを比較すると、日本との差は歴然です。しかし、カナダの難民制度が常に優れていたわけではなく、過去には制度的な欠陥を抱えていました。カナダの難民保護がどのような歴史的背景を辿ったのか、現在はどのような状況であるのか、またそして今後どのような変貌を遂げる可能性があるのでしょうか。

今回の研究会では、国際人権法・難民法の専門家であり2022年まで10年にわたって難民審査参与員も務めた阿部浩己氏をお招きし、半年間にわたるカナダのヨーク大学での在外研究についてご報告いただきました。

在外研究報告会と題して開催した本研究会では、カナダでの在外研究を通じて研究者や実務家と関わるなかで考えたこと(Critical Refugee Studiesやインディジャナス・パースペクティブスからの学び)、難民認定審査などを傍聴して考えたことや日本への示唆、カナダの難民にかかわる政策の変遷と現在の状況など幅広いテーマを取り上げていただきました。

また、参加者との質疑応答では、アメリカの情勢やより厳しさを増す日本の状況を踏まえた質問などもあり、カナダを起点に多角的な視点から議論が行われました。

報告書と資料は以下をご覧ください。

◉報告書

◉発表資料 ▷ PDF

◆難民研究フォーラムメンバーについて
本研究会は、基本的にメンバーを対象にして、年3~4回程度開催しております。
メンバーへのご関心のある方は、こちらよりご覧ください。

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